第177章

瀬戸崎は望月琛の心ここにあらずの様子を鋭く察知し、口元に微笑みを浮かべながら冗談めかして言った。

「お前の心はすっかり奥さんのところにあるんだな。安心しろよ、できるだけ手短に済ませるから」

望月琛は微笑んで、否定しなかった。

瀬戸崎は協力の話を始め、提携先が提示した各条項や直面する可能性のある問題を詳細に説明した。望月琛は聞きながら、時折自分の見解や提案を返していたが、彼の心は終始、寝室にいる前田南に縛られていた。

しばらく話し合った後、望月琛の脳裏にまた前田南の青白い顔が浮かび、どうしても心配で、瀬戸崎の話を遮って言った。「ちょっと待ってくれ」そして立ち上がり、足早にキッチンへ向か...

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